歩く理由、歩ける理由。その2
ふと思う事がありました。
そういえば、なんだかんだ毎日歩けているな…
(歩く理由、歩ける理由。 その1 - 寝たきり仮想通貨ブログのつづき)
雨雲レーダーを使う以前は、雨の日になると気が気ではありませんでした。
窓越しに外の様子を見るのですが、止んでいるように見えても、実際はシャワー状の雨が降っていたりするので、はっきりは分かりません。
傘をさせたらなんて事ない雨でも、させないわたしには少しの雨でも大事です。
30分歩き終わった後には、全身びしょぬれになります。
合羽を使えばその心配も少しは無くなりますが、合羽を着て歩くのは結構大変なんです。
合羽の一番の弱点は視界です。
フードを被ると、かなり視界が悪くなります。
視界に入る部分は透明になっていますが、水滴がついてしまうともう駄目です。
(ワイパー欲しい)
雨音で周囲の音は聞こえづらくなるし、視界も悪い…
不安定な身体のわたしにとって、合羽を着て歩くのは、かなり勇気がいる行為なのです。
なので、出来るだけ合羽を使わなくて済むように、完全に雨が止んだ時を見計らいます。
窓を開ける事が出来ればいいのですが、わたしにとって窓を開ける行為も体力を使ってしまうので、出来る事なら避けたいのです。
(理解しがたいですよね)
どうせつらくなるなら、全て自分が納得出来る事に身体を使いたい。
いつもそう思いながら過ごしています。
窓越しに見る以外にも、雨が降っているか確認する方法を試みた事もあります。
鳥の鳴き声。
これはなかなか使えました。
雨が止み出したら鳥の鳴き声が聞こえてくるので、それを見計らって家を出ます。
蝉の声。
これは駄目でした。
鳥と同じように考えていましたが、蝉も短い生涯を無駄にしないように必死みたいです。
雨が多少降っていても鳴いているので、鳴き出したからと言って外に出ると大変な目にあいます。
あとは、外で歩いている人を見て判断する事もありました。
(平日の昼間は人通りが多くないんですよね)
そうやって試行錯誤しながら確認するのですが、最終的に判断するのは"感覚"でした。
あ、なんか歩けそう。
身体に伝わってくる"雨"の感覚がピタッと止む事があるんです。
それを感じたらすぐに着替え、外に出ると不思議と雨が止んでいます。
よかった…
そう思いながら家の周辺を歩きます。
雨が再び降りりだすのを注意しながら歩くので、結局あまり気分転換にはなりません。
家でいるよりマシな程度です。
ですが、わたしにとってはこの"マシ"がとても貴重なので、焦る気持ちを抑えながら歩きます。
それにしても、こんな時は何故早歩きになるんだろう…
(それでも十分遅いですが)
いつも時間を決めて歩いているだけだから、早歩きになる必要はないのに…
不思議だ…
暇なので、そんなこと考えながら歩いています。
そして、晴れの日の倍以上ヘトヘトになりながら帰路に着きます。
なんとか歩けたな…
そう思いながら、家の前まで足を運んだちょうどその頃。
パラパラパラパラ…
雨が降り出します。
お、運が良かったな。
はじめのうちはそう思っていたのですが、それが10回、20回と増えていくと、本当に運がいいだけなのか疑問に感じるようになりだしました。
一日中雨の予報の日でも、何故かピタッと止む時間があって、歩き終わったら降り出す…
しかもドアノブに手をかけた瞬間に降り出す日も…
たった30分の事かもしれないけど、数年間傘もさせないわたしが、歩き続ける事が出来たのは、偶然ではないような気がしてなりませんでした。
なにか意味があるのかな…
そう感じ出したある日の事。
祖母から電話がかかってきて、この事を話しました。
それを聞くなり祖母が、
「きっとおじいちゃんがいてくれてるんやわ。」
と、いきなり祖父の事を話し出しました。
祖父は、わたしがこの身体になった数年後、死にました。
歩く理由、歩ける理由。その3 - 寝たきり仮想通貨ブログにつづく